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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
「映画館」・2回目【01】
 フィルターからはき出される湿気た空気をかき消すためか、安い香料があたりに漂っている。一度、深呼吸してからドアを開けると、外のホールに射す光を背に、私の姿が客席に陰を落とすだろう。


 古びたリノリウムの床に、そっと歩みを進めていく。ゆっくりと、階段を降りようとした瞬間、ミュールの底がカツン、と乾いた音を立てる。その瞬間、20人くらいの男性が、いきなり私を、振り返った。
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翌週、金曜日。
 夕焼けの色に染まりながら、楽しそうに笑う女子高生の横を小走りに通り抜け、私は通りの角に面した映画館の入り口に滑り込む。


焦りながら、ポケットから自動券売機に千円札を2枚と、コインを入れる。通りから私の姿を背中から見ていないか、背中で視線を遮りながら、流れていく汗を感じる。


入場券が出てくるまでのほんの数秒が、もどかしくて焦れったい。
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初体験・その後
 映画館から、元の服装で飛び出す。後を、さっきの男性が追ってこないか確認し、人混みをかき分け、地下鉄の駅まで足早に歩いていく。


 さしたる特徴もない、中背の男性に特別な視線を投げかける人など誰もいない。私は、ただ、あの映画館から自分を追って来る人がいないか、それだけを気にしながら帰った。知られてはいけない自分と、現実の自分をつないでしまう危険を犯すわけにはいかないのだから。
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「映画館」・デビュー【07】
 しかたなく、両手で近くにいた男性自身を握り、しごきたててみる。念願が叶ったかのように、目を閉じて私の頭に手をかける男性。男性らしい反応に一瞬気が抜けた私は、両手がふさがり自由を失っていることを忘れていた。
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「映画館」・デビュー【06】
 「美しい人」には連れの男性がいた。本命の一人と数名の常連以外は手を触れることも叶わず、遠巻きに見ているだけだった男性たちが見えた。彼女に対する対抗意識と、さっきまでと急に変わってしまった男性の冷たさが、交互に私の頭をよぎる。


(もう、どうにでもなったらいい・・・)

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『M男性への100の質問』に答える
OLDTREEHOUSE」(http://oldtreehouse.netfirms.com/)で配布されていた100の質問に答えてみました。
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「映画館」・デビュー【05】
 腰を視点にして前後に激しくストロークを繰り返す。顎と首が痛くなってきた。

(まだ・・・なの・・・?)

上目遣いで見上げると、男性は目を閉じて顔を後ろにそらせながら、呻いている。その男性と私を、湿った視線で見つめる目・目・目・・・。
 硬度と温度を上げていく彼自身を、一気に追い立てるように右手で根元からしごきたて、亀頭の部分を唇で締めながら刺激する。ウッ、っと呻いた瞬間、温かい粘液が、4回、5回と、私の口中の粘膜に、浴びせかけられる。

 生臭く、吐き気がする。
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「映画館」・デビュー【04】
 私が抵抗しないのがわかると、手はひとつひとつと増えていった。気がつけば、もう5本くらいの腕が私の身体中を撫で回し、私の右腕は、その中のひとつに引かれ、熱いものに、導かれた。
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「映画館」・デビュー【03】
 オフィス用のスーツ。何の変哲もない丈のタイトスカートも、ウエストを捲りひざ上20センチ位にしてしまえば、白い太腿を見せつけるには十分。ミニスカートの女性の脚に目がいかない男性がいるはずもない。自分だって、そうなのだから。
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「映画館」・デビュー【02】
 自宅からパンティストッキングを履いたまま外に出ると、いつもと違う空気感に戸惑うと同時に、女性っていいなぁ、と、自分の身体に向けて感じる。電車に乗っている間は、待ち遠しいのと期待と不安。電車がホームに着くと、私ははじかれるように映画館に向かった。


 狭い入口で入場券を買い、ネットで調べた「特別席」に向かう。ドアの前には常連らしき数人の男性がいて、足を踏み入れた人を確かめるようにちらちらと盗み見ているが分かる。

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「映画館」・デビュー【01】
 その日、私はいつも部屋で身につけている黒のブラジャーと黒のタンガに、黒い上下のスーツと黒いストレッチ素材のキャミソールを持ち、ある映画館に向かった。初めて他人、それも男性に自分の身体を見せることになるかもしれない。そう思うと、身体への手入れは自然に念入りになる。シャワーに入り、可能なかぎり大事なところの毛も少なくすると、急に身体がなまめかしく見えてくる。柔らかいバスタオルで身体を包み、ボディローションを全身に滑らせていく。私が、「私」に戻れる瞬間。

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初めての「女装」
 新しい自分に出会う瞬間。それは大いなる好奇心と、少しの勇気がもたらすものである。書店にあふれる「ポジティブ思考」をうたったハードカバーに踊る文字の明るさには違和感を覚えるけれど、「私」が「私」に出会えたのは、そんな瞬間に、偶然が味方したからだと、今は思える。
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シネマジック・三井 彩 作品
暗い画面の中に、淫靡な世界を構築していたアートビデオに対して、シネマジックのビデオは、明るい照明と、ストーリー、責めの多様さで、ある時期からアートビデオを凌駕していた。
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PantyHose
 パンティーストッキングは和製英語であることを、後にイギリスのフェティッシュIRCチャットの女性(?)から指摘されて知った。

 ベージュ、濃紺、網の大小、シームの有無・・・。

限りなく細分化されるほど、パンティストッキングに焦がれる男性は多い。

しかし、それを「履いている女性の姿」に憧れるのか、「履き古したストッキングそのもの」に憧れるのかは大きい違いである。
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テーマ:フェチ - ジャンル:アダルト

ブルマー
扇情的であるとか、いたずらに刺激される男性が多いとの理由で、最近はブルマーを体操着にしている学校は少ないことと思う。
今更手に取ろうとは思わないが、私も最初にかき立てられたのは、同級生のブルマー姿だった。
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テーマ:フェチ - ジャンル:アダルト

アートビデオ~黒田透作品~
 今でこそ、SMモノのビデオをリリースするメーカーはたくさんあって、SMなのかレイプなのか、はたまた単なる虐待なのか、ジャンル分けに意味が無くなった気がするが、まだ世はバブルに浮かれていた頃、「SM」は間違いなく「普通じゃない」ジャンルだったと思う。

 大手のレンタルビデオチェーンのアダルトコーナーには滅多にSMモノは置いていなかった。でも、街にはまだ大手のチェーンはあふれる前だったから、古本屋が片手間にレンタルビデオショップも併設していることが多かった。

 笑顔でほほえむアイドル顔の女性。そんなメジャー系のレーベルには目もくれず、暗い照明、おどろおどろしいタイトルがパッケージに踊るものばかり、私は手に取っていた。
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テーマ:SM - ジャンル:アダルト

フランス書院文庫~蘭 光生作品~
インターネットがなかった頃、大抵の男性が初めて「エロ本」を手にするのは、河原や、公園に捨ててあるものを拾った時、ではないだろうか。

私は、たまたま、「フランス書院文庫」を手にすることができ、Mに目覚めることとなった。
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