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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
「SMツーショットダイヤル【最終】)」
 SMは一人では成立しない。
そんな当たり前の現実が身に染みていた。


 自分の欲求を実現することを渇望する衝動が向かう先は、受話器の先の女性しかなかった。そして今や、「S女性」と名乗る女性とのたわいもない会話だけで好奇心を満足させるだけではいられなくなっていた。


 (会ってみよう・・・)


 そう心に決め、他の女性につながりやすく、男性の利用は少ない時間帯を推測した。
 平日の夕方。そして、21時過ぎ・・・。少しづつ時間を変えて、次第にかさんでいく電話料金とは裏腹に、かえって以前よりも会話が続かなくなった。


 一通り話しをして、趣味の確認をして、何時にどこなら出てこられるかを決め、ホテルの費用負担の話しをして・・・。
 そこまで話すと大抵「いやな沈黙」が流れた。
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テーマ:SM - ジャンル:アダルト

自縄自縛
どうして、こんなにSMに惹かれるのか・・・。今でもその理由は完全には分からない。


 一人暮らしになり、SMビデオと小説、雑誌、と自分の欲求のまま、好きなだけ「SMモノ」に浸れるようになった。しかし、どうして自分がこんなに興奮させられ、その興奮はどうしたら収められるのかは分からないままだった。
 ビデオや写真、そして小説の中の女たちが発する悲鳴、白く美しい肌を厳しく戒める麻縄、その肌に落とされる赤い和蝋燭の滴によって、身体中が脂汗でべっとりと光る鈍い光り、そして鞭での打擲によって、赤く染められていく肌・・・。


私は、すぐにその虜になった。
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テーマ:SM - ジャンル:アダルト

映画館・4回目【01】
時々、「男性」のまま、映画館に出かけた。


「女」としてそこに入るために必要な準備ができないとき、周囲の雰囲気をもう少し冷静に確かめてみたいとき、私は、何度か会社帰りにそこに向かった。


「男」でいれば、周囲の視線は全く気にならなかった。私も、他の男達を見回すようなことはしない。


「集団の中の無関心」


敢えて主張をしなければ、集団の中に簡単に呑み込まれ、埋没できる。男というのはそういう生き物だと思う。暗い客席にはそうした男達が溢れていた。ただ、昂ぶる性衝動を、倒錯した「女」に向けていることを除けば、誰一人として、人目を引く男性など、そこにはいない。
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「SMツーショットダイヤル」【05】
初めて女性用の番号に電話を掛けてから1ヶ月程。
私は「声で女性を装う」ことが、大分上手になっていた。


レンタルビデオ店でシネマジックの新作を何本か借り、古本屋で手に入れたフランス書院文庫と「SM秘小説」を六畳の部屋に散乱させても、どうしても身体の中の衝動を抑えることができない時、私は「M女」になった。
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テーマ:SM - ジャンル:アダルト

「SMツーショットダイヤル」【04】
大きな幹線道路沿いの道を進み、キャンパスへの看板を確認して交差点を曲がる。
路面にじりじりと照りつける真夏の直射日光が、路面と車のボディーを灼き、路上の温度は天気予報の最高気温を更に上回っているのは確実だった。


その暑さと、昨日感じた興奮を、現実に見ることができるかもしれない興奮に軽いめまいを感じながら、近くのコンビニの前でバイクを停める。


キャンパスまでは、歩いて5分ほどだった。
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テーマ:SM - ジャンル:アダルト

「SMツーショットダイヤル」【03】
「もしもし・・・」


喉に力を入れ、細く高い声で答えてみる。


「あ、あっ・・・は、初めまして・・・」


受話器の向こうで男性が緊張しているのが伝わる。彼もまた、何分も待たされ、ベルの音の先に待つS女性の声を、胸を高鳴らせて聞いているのだろう。
まさか、相手が男性だとは思うこともなく。
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映画館・3回目【06】
「も、もう今日は・・・」


興奮と劣情に支配された表情に、明確に否定の言葉をかけられるはずが無かった。気持を察して止めてくれることを期待して語尾を濁す。しかし、男性はそんなことを聞いてはくれなかった。


いきなり唇に押しつけられる。

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映画館・3回目【05】
快楽が次々と体に注ぎ込まれる。

私の肌が露わになっている部分の全ては、一度は私を囲む男性達の誰かに触れられ、更に肌を求める強い力で引き絞られた柔らかなキャミソールは、肩ひもの下から破れ、汗ばんだ肌にまとわりついていた。
座席に座らされたままVの字を描くように上げられた両脚を、破れたストッキングが飾っている。左右の座席に足をかけて立ち、私の唇を犯している男性が、私の視界の前に立ちふさがり、辺りに何人男性がいるのか、それも分からなくなった。
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「SMツーショットダイヤル」【02】
最初は、話ができることだけでも満足だった。


この世の中に、自分の嗜好と同じ世界に生きる女性は確かにいる。受話器越しにではあるが、その息遣いを感じられることだけで、私は満足だった。


「いくつなの?」


「身長は?体重は?」


「芸能人でいうと、誰に似てる?」


自分でもこっけいなほどに胸を躍らせながら、簡単な自己紹介、たわいもない話、数々の問いかけに、ひたすら「はい」か「いいえ」で答え続けた。
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映画館・3回目【04】
 ポーチには、最低限の化粧道具や鞄の鍵、数枚の千円札などが入っている。私はいつも、このポーチだけはどんなときでも肌身から離さないよう注意していたし、今まで、どんなときでも注意を途切れさせることなど無かった。


中の現金を狙うスリも、ここでしか見られない珍しい「女」たちの持ち物をいたずら半分に盗もうとする男達も多い。だから、注意を欠かすことはなかった、はずなのに・・・。

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「SMツーショットダイヤル」【01】
ほんの、たった10数年前、世の中には携帯もインターネットもSkypeもメッセンジャーもなかった。


どこかの集まりで顔を合わせないかぎり、顔も知らない人々が意思疎通をすることなどありえなかったし、まだ見ぬペンフレンドに淡い恋心を抱く人や、アマチュア無線で遠い国の人と会話をする趣味をもつ人々だけが、辛うじて「一回も顔を合わせたことのない人と会話する特権」を独占していたといえるだろう。
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映画館・3回目【03】
余韻に浸る暇もなく、


「気持よくなってばっかりじゃつまらないよね?」


右となりの男性に言われ、今度は2人の男性の性欲を満足させることを命じられた。

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春琴抄を読む
Mを自覚したことがある人なら、谷崎潤一郎の小説は必ず一度は手に取ったことがあるだろう。


フランス書院文庫に代表される「いわゆるエロ小説」ではなく、学校の図書館でも借りることができる「文学」の範囲の中で自分の願望を反映することができる貴重な素材である。


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