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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
妄想を展開する【04】
 私は、彼女の汗の薫りに魅せられた虜なのだ。

 自分の汗の匂いには、嫌悪感を感じる。ただ「若いだけ」の女性たちが放つ、動物臭の強い汗の匂いも、好きにはなれない。どこか甘く、鼻の粘膜からも優しさと安心感を伝えるような、そんな薫りを持った女性は、決して多くない。

 私が知る限り、彼女は久しぶりの、その薫りを持った女性。

 どうしても、彼女の汗を、舐めてみたかった。
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妄想を展開する【03】
 「や・・・、やめて・・・、酷いことはしないで・・・」

 鈍く光るカッターナイフの細い刃を、ストレートロングの黒髪の先に近づける。左手でその髪をひとつまみ掴み、彼女の目の前で切り取る。
 鈍い切断音を発して、刃が髪の毛を裁ち落とす。

 「や・・・、やめてっ・・・!、やめてったら・・・!」

 もう何年も、毎日何時間も私たちは机を並べて仕事をしている。拒否を訴える口調も、見知らぬ者に対するものとは違っているはずだった。

 必死で訴えれば届く、受け入れられるはず・・・。

 厳格な両親と、穏やかで純真な人々に囲まれて育った彼女には、その願いが届かない人間がいることなど、信じられないだろう。

 「純、って字と、鈍って言う字は似ていますよね・・・。」

 彼女は、まだ、私の想いに気がついていない。

 何度かふわりと彼女の薫りが鼻をくすぐる度、私は身体の芯まで劣情を刺激され、しばらく机の上の書類が目に入らない状態に、何度なっただろう。

 (いくら伝えても、受け入れてもらえない疼痛を、これからしっかり、味わってもらうのだから・・・)
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妄想を展開する【02】
 サンダルを取り去った彼女の右足の爪先は、限界まで身体を引き延ばしてやっと床に触るか触らないかの状態になる。

 さっきまではなんとか身体の体勢を保てていた彼女も、たった数センチ自分の足下に敷いていたサンダルが無くなったことで、足を滑らせながら、何度も全体重を両手首の縄にあずけ、息を弾ませ始めている。

 (ふふ・・・、頑張れ・・・、もっと、身体を使って、力を使うといい・・・)

 私は、叶わぬ試みを必死の顔で続けている彼女を、じりじりと近くに歩み寄りながら心の中で励ます。
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妄想を展開する【01】
「薫り」について書いたところで、最近、妄想している風景を、展開しておきたくなった。

妄想は、妄想のままにしておかなければいけない。

実行したら、法にも倫理も犯し、自分の存在を脅かすことになる。絶対にしてはならないことだと分かっているだけに、どこにも話せず、自分の心の中に閉じこめておかなければならない。

でも、自分の中に巣くう性癖を、一度前面に出して、そこから「何か」を再構築したいと思う気持ちを、抑えることができない日もある。
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「女」に変わるためのスイッチ
女装をする人たちにとって、自分が「女」になるためのスイッチのようなものがあると思う。

私にとって最大のスイッチは、「薫り」。

服を着たり、化粧をするだけで完全な女性になれるほど美しくない私にとって、目を閉じていても自分に「女」を感じさせてくれるのが「薫り」だった。
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「仮面舞踏会」【03】
 「仮面舞踏会」は、名前とは裏腹に、むしろ、「仮面」を脱ぎ捨てた人々の集う場所だったように思う。ハンドルネームという仮面を着け、普段の自分を隠し、毎晩のように舞踏会へ通い詰める。

 どんなに普段、信頼され、尊敬され、責任ある立場についている男性も、貞淑で、聡明で、清楚に見える女性も、舞踏会ではただ自分の性的嗜好を全面に出すことができる。

 一見の人々、そして、物事の本質を見抜く力の無い人から見れば、私たちは「仮面」で普段の顔を隠したバーチャルな世界に逃避しなければ会話ができないのだ、と感じたかもしれない。
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自分を初めて「女」にした瞬間【02】
 男性は、とかく「似合うもの」より「着たいもの」を集めたがる習性があるような気がする。似合わないのに身につけたい、と望むからこそ、結果的には背伸びをすることによってその背丈になるような成長をすることもあるだろう。

 「地位が人を造る」のは、そんな時かもしれない。

 しかし、女性を装う男性にとって、「着たいもの」より「似合うもの」を手に取るようになれる人は希だと思う。

 大抵は、どう考えても太すぎるウエストの上にボディコンスーツを着てみたり、ゴツゴツと骨張った顔に黒のストレートロングヘアのウイッグを着けたりしたがることの方が多いはずだ。

 私も、残念ながらその「大抵」の中の一人。
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自分を初めて「女」にした瞬間【01】
 私は、初めてストッキングを履いた日、ウイッグを着けた日、女性ものの洋服を身につけた日、メイクをした日のことをどれもよく覚えている。


 恐らく、女装に一時期でもはまったことがある人なら、同じではないだろうか。


 母親、妻、姉妹の下着、洋服・・・。


 もし手に入るところにそうしたものがあったなら、戯れにでも初めて手を伸ばした時、「やってはいけないこと」を破る意識を、きっと、持ったことだろう。


 私は、一人暮らしになってから女装を始めたから、黙って手の届くところには、何一つ「道具」は無かった。
 通販で下着を買い、スーパーの衣料品売り場で、さも家族が見繕っておいた洋服を代理で買うようなそぶりで買い、薬局で、家族に頼まれた化粧道具を補充分だけ買ったように見せかけて・・・。


 単純に身につけることだけで女性の感覚を味わえる下着や衣類と違い、メイクで「女性」になるためには、それなりの技術が必要だと思う。


 「メイクをするという禁断」を破った結果によって、その後の女装への想いは、きっと変わるだろう。
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映画館・5回目【03】
 「もう遅いよ。後悔するのは終わってから、だ」


 捉えた獲物をいたぶる男、彼の悪意を込めた暴力は、粗野な言葉や、理不尽な要求に慣れていない人間を一瞬のうちに服従させるのに十分だった。私は、まさに、その餌食だった。


「ごめんなさい、本当に、わざとじゃないんです・・・!、ごめんなさ・・・」


 全てを言い終わらないうちに、お腹の当たりに腕を絡められ、私は一気に抱きすくめられ、後ろの席の一番奥までそのまま引きずられていた。
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映画館・5回目【02】
 少しカーブしながら続く階段を降りると、切符売場が見えた。その向かい側が入口になっているようだったが、既に競馬場にいるようなジャンパー姿の男性とくたびれたスーツ姿の男性とが混在しながら、満員電車に乗り込もうとする人々のように入口の前を塞いでいる。
 「2階」と違い、騒がしい雰囲気だったが、私のミュールの音は辺りに響く。その音が「女」の発する音であることを、男なら誰もが認識しているし、だからこそ、「2階」で階段状の客席の通路を歩く私には、期待と値踏みをするような視線が一斉に注がれる。いつもと同じようにヒールの音を響かせながら階段を降りてくる女装姿の私。「いつも」と何も変わらないはずなのに、男性達の反応は、いつもと同じではなかった。

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映画館・5回目【01】
 その映画館が一番にぎわうのは、土曜日だった。同好の「女」が多ければ、それを目当てに集まる男性も増え、私が望む「複数の男性に弄ばれる快楽」を味わうチャンスも増える。

 テレビ番組もレストランもデパートも、「女性」を惹きつけることができた者が勝者となる構図は同じだ。普段は男として生きているからこそ、自分が男性を惹きつける撒き餌になることを私は望んだ。

 その日、私はこの映画館に通い始めて、もう大分たったように感じていた。


 回数にすればわずか5回。常連と呼ばれる人々に比べれば、次々に現れる「新しい子」の一人でしか無かったのに、私は、たった数回の経験だけで、この映画館で起きる出来事の大半を悟ってしまったような気になっていた。


 それが間違いであったことを心の底から知ることになるその日までは・・・。

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「仮面舞踏会」【02】
 黄色と紫が入り交じった花束やアレンジメントや花壇を見ると、いつも、その光景を思い出す。

 黄色の文字を使った人が3~5名、紫色の文字の人が、3~5名、毎晩のように「仮面舞踏会」に集っていた。

 そこは登録制で、会員はIDとパスワードで管理されていたけれど、一度ログインした後は、多少ハンドルネームを修正することができたように思う。
 大抵の会員は、ずっと同じハンドルネームを使っていた。Sは黄色、Mは紫色で表示され、【♂・♀】の記号で性別が分かるようになっていたから、始めて入室した人でも、そこにどのような嗜好の人々がいるのかはすぐに把握できた。


 会話をしている人々の中に、「黄色い文字の女性」は、最初、一人しかいなかった。


【Sの、女性だ・・・。】

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一人遊び
-自分の心の闇に潜む、特殊な性的嗜好を現実にする-


一昔前までは、ほんの一握りの人間しか、出来なかった行為だっただろう。


 知人・恋人に嗜好を露わにして、もしもそれが失敗すれば、性的異常者として二度と回復できないダメージを負う。
 同じ嗜好を持つ者の世界に入ろうとしても、それは到底、普段の「良識ある一般人」が出入りできるような世界では無かった。


 インターネットの中に広がり始めた、「特殊な性癖」を扱ったサイトを通じて、自分と同じ嗜好を持っている人間がいることを知り、その相手と会話し、場合によっては、待ち合わせするだけで会うことが現実になる。


 闇のまま終わらせるしか無かった暗がりを照らす役割を担ったのがインターネットとするならば、まさにその光源は「デジタルカメラ」だと、思う。

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「仮面舞踏会」【01】
 ツーショットダイヤルから離れて少したったころ、自宅でインターネットを使いはじめた。


 まだ日本語版のyahooも試験運用だった頃、あちこちのリンクを伝ってたどりつく「ホームページ」の大半は、取り立てて内容のない自己紹介ページばかり。私は、ひたすら「SM」の世界を探すために、ネット空間の中を彷徨い続けていた。
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映画館・4回目【02】
(緊張、してるんだな、やっぱり・・・)


 「彼女」がふっ、と息を呑んだことは、隣に座った瞬間、私にも分かった。愛想よくしても軽く見られて自分を安売りしているみたい、だけど、ここまできて、何も無しに帰ることなんて、できるはずもなくて・・・。


 私には「彼女」の気持ちが、手に取るように分かった。

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一線を越える時
 ボンデージ衣装、縄化粧、和服にOLスーツに各種の制服・・・。


 「女性」はどんな格好をしても、SMの舞台に映える美しさを放つことができると思う。


 しかし、M男性向けのビデオに出演しているM男性は、大抵やせてがりがりの初老男性か、でっぷり太った醜い腹部を晒す中年男性。


 なんとなく、感情移入できない、と思うことが多い。
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