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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
「女装M」×「男性S」【17】
 「彼」の調教のために予約したホテルは、男女のためのラブホテルではなく、オフィスビルが建ち並ぶ街のビジネス客向けのホテルの一室だった。

 片側3車線の広く真っ直ぐな道路の両脇に、街路樹と無機質な灰色のビルが建ち並ぶ街には、繁華街とは違った空気が満ちている。

 歩道を歩く人々の大半は一人で黙々と行き先に向け、強い日射しを照り返すアスファルトの熱気を全身にまといながら歩いていた。

 「道具」を詰め込んだリュックを肩にかけ直した私は、近くに日用品を売る店がないか、探していた。

 
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質される
 すれ違ったり、行き違ったり、些細なことのすりあわせがうまくできなかったり、勘違いしたり、人と人との間にはあうんの呼吸だけで成り立たないことがどうしてもあると思う。

 些細なずれすらなくそうとしすぎると、時にそれは行動の束縛に現れはじめ、それでもぬぐいきれないと猜疑心と共に監視や束縛をエスカレートさせはじめるものなのかもしれない。

 混んだ電車の中で、ひっきりなしにメールを打ち続ける高校生を見ながら、そんなことを思った。
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捧げられるもの
 いくら頑張っても、甘い果実を口にするチャンスが得られない時期がある。

 チャンスに向かって努力することで、日々の充足感を得られることもあるけれど、果実がなければ努力もしない、などということはできず、短いダッシュを続けながらいつまでもゴールが見えないような感覚を覚えている。

 御主人様と下僕という関係になるまで、随分長い間「SMの趣味をもつ友人」のような不思議な関係が続いた。

 1年近く会わない時も、数ヶ月全く連絡を取らなかった時期もある。私はその間、「女装遊戯」に傾倒したり、他の女性に男性として心を奪われたり、そして、何人か別の女性とネット上で繋がりを持とうとしていた。

 一人の「野良M」として放浪する間、何度か課され、そのたびに果たせずに挫折しては関係を絶つ原因になったのが、

 「射精管理」

である。
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「女装M」×「男性S」【16】
 「おやすみなさい、また、明日・・・」

 全ての「準備」を終えて、最後にチャットルームを閉じてから、私は、数時間後に訪れる初めての経験を思い、眠れない夜を過ごした。

 夏の日射しが、東の空から照りつけ始めるまで、あまり間がない時間だった。

 
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昼下がりに見た夢
 日曜日、忙しい数週間の疲れが溜まっていたのか、昼間から長い午睡の時間を過ごしていた。

 昼間にしては深い眠りに落ちていったと思った矢先、不思議な夢を見た。めずらしく、御主人様が出てくる夢だ。
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「オトコらしさ」を疑う
 トイレメーカーか何かの調査で、最近、男性でも洋式トイレでは座って用を足す人が増えてきたらしい。

 私もその一人。

 調査にあったとおり、汚れにくいし、慣れてしまえば今までどうして「立って」していたのかを忘れてしまう。「オトコが座ってするなんて」などと言うのは、自分でトイレの掃除をしないオトコのセリフだろう。

 トイレの使い方くらいなら普通の男性でも「オトコらしくない」使い方に気づくことがあるかもしれない。

 しかし、女装を経験すると、「普通の男性」には抵抗があるけれど、実際には変えてしまっても何ら問題のない「オトコらしさ」の無意味さに気づくことがある。
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「女装M」×「男性S」【15】
 指定された「道具」は全て用意した。

 「男同士」でフロントを通り、数時間を過ごすことのできる場所を確保した。

 「会う」までに少なくとも数週間の時間を掛け、夜遅くまでSM談義を交わし、お互いの思うところを確認しあった。


 もう、これ以上、今の位置で立ち止まったままなすべきことは無かった。あとはホテルに電話して、仮予約を本予約に変更して、待ち合わせの時間だけを決めるだけで全てが現実になる。

 最後の一言を、どうしてもためらう。

 「あの・・・、一つだけお願いが・・・」

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