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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
「映画館」・デビュー【01】
 その日、私はいつも部屋で身につけている黒のブラジャーと黒のタンガに、黒い上下のスーツと黒いストレッチ素材のキャミソールを持ち、ある映画館に向かった。初めて他人、それも男性に自分の身体を見せることになるかもしれない。そう思うと、身体への手入れは自然に念入りになる。シャワーに入り、可能なかぎり大事なところの毛も少なくすると、急に身体がなまめかしく見えてくる。柔らかいバスタオルで身体を包み、ボディローションを全身に滑らせていく。私が、「私」に戻れる瞬間。

 「私」は、何度か、通販カタログで選んだランジェリーやストッキング、洋服を着ては、鏡や、買ったばかりのデジカメで自分を映したりしていた。まだ若かったせいもあるだろう。遠目に見ると、自分でも驚くくらい、「女性」になりきれそうに思えたし、どうしても外をハイヒールで歩いてみたくなり、深夜自宅の周囲を歩いてみたこともある。


 それでも何か、どうしてもいつも物足りなかった。


 最初は一人で部屋で洋服を身にまとうことで満足していたのに、その頃の私は、欲求がエスカレートしていくのを、自分でももう止めることが出来なくなっていた。
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