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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
「女装M」×「男性S」【01】
 女装Mとして、初めてS男性に調教をお願いするまで、何度も躊躇し、迷っていた。

 今ならば、「性的異端者」の範疇を決めるのは、当事者だけだと言い切れるけれど、そのころは、「SM」だけでも十分「異端」な上、女装したM男性を相手にしてくれる「S男性」が本当に存在するのか、信じられずにいた。

 ダイヤルQ2のSM回線で、SM好きな男性と話し、S女を演じたこともあるし、M女を演じたこともある。「男同士」でSMを語るのには今でも抵抗があるけれど、自分を女に置き換えることさえできれば、一人のMとして欲求を解放できるような気がしていた。
 ニューハーフや女装者を好きな男性とチャットができるサイトを見つけるのに、そう長い時間は掛からなかった。チャットの入室者へのメッセージに「M女装者」を求める言葉が書かれている部屋に、何度か入室してみた。

「何歳?」

「どこに住んでるの?」

「洋服はどんなのを着るの?」

「画像持ってる?」

「今日会える?」

 大半は、そんな言葉を矢継ぎ早に投げかけられた。最初はそれなりに答えていたが、「画像は持ってません」とか、「今日は会えない」と答えた直後に部屋から退出させられることが繰り返される度、誠実に答えるのが面倒になる。

 すぐに、自分が男性ながら、同じ男性の身勝手さ、いい加減な態度に辟易することの繰り返しに飽きはじめた。まともに会話ができる男性は10人いれば1人いるかいないかで、その男性すら、SMの経験を訊ねると、「Sだと思うけど経験はない」とか、「SもMもどっちでもできるから」などと言われることばかりなのだ。

 かと思えば「SMは信頼関係」という言葉を振りかざし、結局は自分だけは信頼できる男性なのだとアピールされることも多かった。

 (SMじゃなくても人と人は信頼関係じゃないの・・・?、まったく・・・、こんなので逢って何かしようという人の気がしれない・・・。)

 男にとっては、自分の性欲を満たしてくれる「オカズ」は、できるだけ自分の都合のいい手段で手に入れたいと思うものだ。手軽で、新鮮で、自分の言うことを聞いてくれて、自分に危害を加えられるようなリスクを冒さなくていいもの、しかもそれがタダであれば・・・。

 そんな欲求に、「Mの女装者」はある意味、一番適当な存在なのかもしれない。

 「Mなら、こっちの言うことを聞くだろう」

 「Mだから、いじめてやれば喜ぶんだろう」

 「女には相手にされないし、面倒くさいけど、女装者なら楽かも・・・」

 そういう感情が、文字の向こうに透けて見えるようになるまで、ほんの数日しかかからなかった。

 (何で・・・、S男性を捜してるんだろう・・・?)

 身勝手な「自称S男性」に対するいらだちを募らせながら、自分のことを省みれば、自分の方も、大して違いは無い。

 (経験のあるS男性なら、縄の使い方が上手だろう)

 (S女性を捜して、気に入ってもらって、さらに女装して責めてもらうなんて、多分無理だろうけれど、もともとそういうのが好きな男性なら・・・)

 (こっちだって変態だけど、向こうだって変態じゃないか)

 私も、身勝手な男性たちと、何ら違いはないような気がしはじめたころ、一人の男性のメッセージが目に入った。

「あなたの部屋で監禁・調教させてください」

 興味本位に、その部屋の入室ボタンを、押した。
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