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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
ふたり 【09】
 男の手で、もどかしいほど、ゆっくりと布地を引き上げられてゆく。

(お願い・・・恥ずかしい・・・!一想いに狂わせて・・・)

 届かぬ懇願を心の中で重ねる間、じっくりと臀部を剥き出され、由梨はついに下半身を全て人目に晒された。

 もちろんその姿を見る余裕はなく、ただただ淫らな綱引きを続ける姿を自分以外の男女に晒しながら。
「あッ・・・がっ・・・うぅ・・・」

 由梨の口からは、苦悶の声しか発せられない。テグスに操られた人形に限界が近づいていることを男はわかっていた。限界を少しだけ超えさせる魔力。それがサディストとしての能力といえる。

「さて・・・このお尻に、少し落書きをさせてもらうよ」

 男が手に取ったのは、悪魔のような責め具である。

人の肘先程度の長さを持つ握り手から、鈍く輝く皮紐が12本伸びている。それら1本1本は、4本の細い皮紐からなり、きつく編み込まれた先に、小さな結び目がついていた。

 恐らく直接これを目の当たりにすれば、由梨はきっと正気ではいられないだろう。ずっしりと重さを感じさせるこの鞭が、キャンバスとなった由梨の臀部をどれだけ朱く染めていくのか、男は笑みをこらえながら由梨の背後に回る。

「さぁ、由梨、泣いてご覧」

 ヒュゥッ!と風を切る音が耳に届く。それが鞭の音であることを由梨は悟った。

(こんな状態で鞭なんて・・・!)

 由梨は恐怖に震え始めた。

「ぅぅやぁう・・・!いいゃぁぁあ・っ!」

 舌を拘束されたまま、必死に抗議する由梨だが、男は当然容赦しない。

「どうした?もっと聴きたいか?この音を」

 ヒュゥッ!ビュゥッ・・・と由梨の脚に風が届く。

(いや・・・怖い!・・・怖い、怖いんです・・・、美恵さん、助けて!)

 自分の主人である美恵を想わなければ、胸が潰れそうだ。

 鞭から生じる風が、次第に距離を縮め、自分に確実に近づく。

 パラッ・・・ビュッ・・・

鞭の先が、床に拾われて乾いた音を立てる。

「由梨の尻は、いい音を聞かせてくれるだろうね。泣かずに我慢できたら、褒美をやってもいいぞ、まぁ、無理だろうがな」

ヒュッ、とひときわ遠くに鞭の音が遠のいた直後、目の前に火花が散った。

「いやぁあああっ!!あああっあああ!!」

厳しい打撃に、こらえきれず叫び声があがった。
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