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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
久しぶりに妄想の世界
 年に何度かしかない長い休みの間、ストレスをほとんど感じない時間を過ごしていると、普段消耗しきっていたいろいろな部分に力が戻りはじめたことを感じる。
 年を重ねる度に確実に自信がなくなる体躯も、メンテナンスを予て普段より丁寧に負荷を掛ければ、次第に力が戻り始めてくることははっきり自覚できる。

 身体に力が満ち、心のパワーを減退させるストレスが減ると同時に、身体の中心からはまた別の熱が沸き始める。

 
 客先でのプレゼンのため、濃紺に薄くピンストライプの入ったスーツで出かけた姿のまま、私は御主人様の足下に傅き、その成功を報告している。

 満足そうに微笑みを浮かべながら私を見つめる視線が、会話が途切れた瞬間から、次第に、色を変えて私のスーツを貫いて皮膚まで達するような錯覚を覚えはじめる。

 御主人様の視線が、私の視線を絡めながらゆっくりと移動していく。やがて、天井から伸びる鎖の先に、手首を固定するには細すぎる革の拘束具が垂れ下がっているのが見える。

 立ちなさい、と唇から発された言葉に、私は脳内のキャンバスを全て白く消されながら、立ち上がり、拘束具の下まで進む。右手の手首を掴まれると、親指だけを深く拘束具の中に通し、血流が止まらないギリギリの強さに引き絞られてしまう。他の4本の指は所在なげに軽く拳を握るしかない形のまま、モーターの音と共にゆっくりと上昇し始める。

 反対の手を出すように言われ、左手親指を同じように拘束されると、左手が、右手を追うように上昇していく。全身は真っ直ぐに引き延ばされ、それでも止まらないチェーンによってつま先立ちの姿勢を強いられていく。

 親指だけを引かれているため、手首の時のように時折体重をあずけることもできず、革靴の爪先を無理矢理折り曲げながら、体重を親指から和らげることに集中せざるを得ない。下手にバランスを崩せば、親指の骨が折れることは間違いなかった。

 2分・・・、5分・・・、さっきまで談笑していた時には意識しなかった時計の秒針を強烈に意識させられる時間が、ゆっくりと宣告される。次第に、両足のふくらはぎが不規則に揺れ始める。

 裁ちばさみが目の前に提示される。

 何をされるのかは、わかっている。しかし、一言も、口から言葉を発することはしたくなかった。御主人様が構築しようとしている世界観を、不用意な一言で壊したくない。

 にっこり、と笑うと、ジャケットを留めているボタンが、一気に切り取られて床に転がる。

 震えながら御主人様を見つめる私の両目が、昂奮で潤み始めていることは自分自身でわかる。御主人様の前で一切の自由を失う恍惚の時間が始まる。

 ・・・、そんなことを、今日、突然妄想した。
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