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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
「映画館」・2回目【02】
「ねぇ、ここ、よく来るの?」


 一人の男性が、お決まりの質問を投げかける。でも、私には、それがたまらなく面倒だった。はっきりいって、どの男性にも特別な興味はない。


 (私、私を性欲の対象として見て欲しい、獣のように求められたい、そして、その獣によってたかってしゃぶられる獲物に私はなりたいだけ・・・)


心の中で叫びながら、うわべだけは取り繕った優しい笑みを返す。無防備な笑み、それが男性の警戒心を解くために有効なことを、私はここにきて初めて知った。



 男性の視線は、すぐに私の顔から、下半身に流れていく。ストッキングを履いていない白い脚に気付くと、すぐに手のひらが伸び、汗ばんだ手が、私の太ももに直に触れる。じっとりと私の太ももの表面が撫でつけられた瞬間、私は急激に鼓動を早められていく。


 しかし、すぐに我に返らされてしまう。原因は、男性の愛撫があまりにも自分勝手でおざなりだったから。キレイだね、というセリフもとってつけたよう。感情がこもっていない言葉を、例示したら、こうなるだろう。教科書に載せられないことは確実だけれど・・・。


 左隣に座った男性は、何を照れているのか私には触れてこない。常連さんからは、身の危険を感じることはなくても、下手な愛撫には、失望するしかなかった。


(もっとたくさんの人に触ってもらいたいの・・・)


心の中でつぶやきながら、


「ねぇ、後ろの方に立ったらどうなるんでしょう?」


何もしらないような顔で問いかけた。


「えっ・・・、後ろにいくといろんな人が触ってきて大変だよ、大丈夫なの?」


自分の愛撫が下手だから、とは思っていない男性は、心配そうな表情で私を見ている。


「ええ、でもあんまりひどくなりそうになったら助けてくださいね」


新顔の「女性」のボディーガードにでもなったような気分なのか、嬉しそうに頷く男性。


客席の一番後ろの角には、空調機の吹出口があり、冷たい風が私の体を撫でる。急いで外を歩いてきた私の体は少し汗ばんでいました。


(男たちに、体中の汗をじわじわなめられたら・・・)


と私は少し、期待をしている。


 手すりの前まで、男性に付き添われて歩く。好色そうな顔で私を見つめる目が、少なくとも、10個。うつむき、顔を見られないよう、角を向いて後ろ向きに手すりに手をかけた。5人の男性は、入れ替わり立ち代り、私に手を伸ばしてくるだろうか。また、胸の鼓動が、早くなる。


(来た・・・)


 最初の男性が、スカートをめくりあげ、Tバックを履いた私のお尻を両手で撫でまわし始めた。両手は、やはりじっとりと汗ばんでいて、オジさんらしいしつこさを感じさせる。周りを取り巻く男性は、手を出すでもなく、黙って私を見つめていた。


 私は、目を閉じ、前方の空間を見上げるように、顔を上げて、髪に空気を含ませるように左右に振った。


 一人、クリトリスばかりを狙う男性がいる。性急に揉み込まれることを望むのは、「男性」であって「女性」ではない。でも、それが分かる男性はこの中にはいないようだった。不満を感じながらも、たくさんの人に見られながら刺激されていると思うと、クリトリスが硬度を増すには十分な刺激になる。


 ぴったりと慎ましくそれを包み込んでいたショーツは突き破られる程になり、


「すごいじゃない」


男性の一人は話しかける。


(早く・・・早く、全身を触って・・・)


 上着を脱がされタンクトップ1枚にされて体中を撫で回されたい・・・。願望を、すぐそこにある現実のものにするため、私は妄想しながら、クリトリスへの刺激に耐えていた。


 すぐに刺激は体の芯まで達し、私はもう、そのまま立っていられない。


「ねぇ・・・くわえ・・させて・・・」


 「付添人」の男性を横目で見ながらそう言ったとたん、数人の男性がズボンに手をかけ、自分の物を取り出す。むっ、と男性の匂いが鼻をつく。当然自分のモノが選ばれるはず、と信じてやまない男性達の視線を、思い切りえり好みできる快感。一つ、一つ、私は値踏みするように、男性達を視線で支配していた。


一番元気のよいのは、意外にも背の小さい男性だった。足下にしゃがみこみ、唇を寄せる。周りの男性はおおっ・・・と驚いたらしく、身を乗り出してこちらを見始める。


思いきって石のように硬くなった男性自身一気に吸い込む。暗がりの中、男性自身は白く浮き立ち、私の濃い赤の唇と対照的に見えているだろう。下半身に全身の神経を集中するように体を固くした男性の緊張が、口の中の粘膜から伝わってくるようで、私はだんだん頭がしびれてきた。苦いようなえぐいような味が、また口の中に広がりはじめる。


両手で、男性を包み込もうと両手を上げた。その瞬間と、急に上着をつかまれ、後ろの男性に脱がされそうになる。上着を剥がされれば、肩まで露出することになる・・・。私は肩を縮めて抵抗した。


すっかりたくし上げられた私の白いお尻に、黒いTバックがやっぱりコントラストを描いていたのだろう。男性は興奮したようだった。急に背中を押され、バランスを崩した私は床に這いつくばった。
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