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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
映画館・3回目【06】
「も、もう今日は・・・」


興奮と劣情に支配された表情に、明確に否定の言葉をかけられるはずが無かった。気持を察して止めてくれることを期待して語尾を濁す。しかし、男性はそんなことを聞いてはくれなかった。


いきなり唇に押しつけられる。

汗臭い男の体臭が、鼻から入ると息を詰まらせていく。噎せて咳き込み、顔をそらせようとするのを、がっしりとした両手で制止され、無理矢理開口させられた。
やっと長時間の拡張から解放されて休息していた顎は、いきなり大きく開きはしない。すぐに口を閉じる安楽を求めて、自然に開口の状態が保てなくなった。


「おいッ!・・・痛っ、か・・・噛むなよ!」


その度に頬をつねられ、痛みに耐えかねて口を開く。男にとって私は、フラフラになりながら、口中の粘膜で男性自身をただ摩擦し続ける道具だった。やがて勝手に達していく男の精液が、私の口中を生臭い匂いで満たし、うっかり鼻で息を吐こうとすれば、気味の悪い匂いがまともに感じられて自分が吐いてしまいそうだった。


それなのに、ローターは下半身と乳首から振動を送り込み続け、私は湧き上がってくる快感をまだ受け入れていた。コントローラーを持っているのは、ずっと離れたところから私を見つめ続けていた男性だった。
きっと、やっとローターのコントローラーを手にするまでの時間は、男性にはとても長く感じたのだろう。待ちかねた分、私の反応を注視して行う強弱の操作は執拗で、私は刺激に慣れて感覚と反応を鈍くすることすらできなかった。男性は、自分の操作で「女」が戸惑い、悶える姿を、思う存分に楽しんでいた。


もう大分長い時間、様々な種類の性感を送り込まれ続けている私は、最初と比べればまるで反応していないような、かすかな反応の変化しかできなかった。しかし、そのかすかな変化すら厭きることなく楽しむ男性に振動の強弱だけで刺激されると、私はびくびくと腰をふり、だらしない姿を4人の男性に晒しながら、2度目の精を、汚れた床に浴びせていた。


急激に張力を失った私は、今度こそ身体から全ての力が抜けていくのを感じた。フェラチオする力が抜けたのを察した男性は、自分自身を一旦私の口から抜くと、自分の手で強くしごきはじめた。私の口ではなかなか達しなかったのに、荒々しく自分の手で慰めてしまえば、急に高まってきたのか、すぐにうっ、とうめき声をあげた。


生暖かく、勢いのある粘液が、目の前から吐出される。


ぼんやりと快感の余韻に漂っていた私は、まともに男性の精液を顔面に浴び、慌てて目を閉じるのが精一杯だった。鼻の下から、唾液に塗れた唇にしたたり落ちる大量の白濁した液体と自分の唾液が、ゆっくりと流れていった。


私はもう、ぐちゃぐちゃに穢されていた。


顔は男性達の汗と精液と私の唾液でどろどろになり、下半身もローション塗れだった。力が抜けてしまい、私はそのまま席にもたれかかっていた。


「トイレにいく?」


一番最初に声をかけた男性が誘う。私の身体で快楽を得た男性達が何人いて、誰がどう私を追い立てたのかを思い出すこともできず、私は身支度したい一心で、彼とトイレに向かった。


二人で個室に入り鍵をかける。男性はすぐにぼろぼろのキャミソールとブラジャーをはぎとり、私の乳首に吸い付いてきました。


「・・・きれいだよ、かわいいよ・・・」


男性は右手で私を握りながら、自分自身と交互にこすり上げ、一人で達すると、さっさと外に出て行った。


やっと一人になれた私は、急に嘔吐感に襲われ、便器に向かって激しく吐いた。
白い陶器に、口紅とまざった精液が少しだけ見えた。お腹の中には何もないのに、胃の奥からわき上がってくるような吐き気を静めようと、私は何度も嘔吐しながら涙を流した。


(なにやってるんだろう・・・私・・・)


絶頂を極めたのは一瞬のことだったように、今はけだるい記憶にすらならなかった。最低限の身支度をして、客席にもどると、私の荷物の周りには、もう誰も群がってはいなかった。


前の方の席に、また別の女装の方が入ってきていた。男性達は私にしたように、また、遠巻きに、じりじりと「彼女」を包んでいった。


私はその暗がりに視線を向けることもなく、バッグのカギを取り出すと、もう1度トイレに入り体を拭き「男」に戻った。素顔を見られないよう、帽子を目深にかぶり、すっかり暗くなった街の暗がり身体をとけ込ませ、足早に映画館を後にした。


電車の中で、座席に座るとどっと疲労が身体を襲い、醒めない夢の中を漂っているような気がした。
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テーマ:女装 - ジャンル:アダルト

コメント
この記事へのコメント
終わらない快楽
「映画館 3回目」 堪能させていただきました。
女を装い・・・女として感じる<貴男>の姿に、女性としてのわたくしもとても感じてしまいました。
と同時に、終わらない快楽をいつまでも貪り続けられる<女の身体>に羞恥を感じてしまいました。
男性には射精という<ピリオド>があるからでしょうか・・・行為の区切りのようなものを迎えられるのでしょうね。
とりとめの無い感想で申し訳ありません。
この次は「SMツーショットダイヤル」を楽しませていただきます♪
2006/03/19 (日) 00:43:09 | URL | 祥子 #NqNw5XB.[ 編集]
お楽しみ頂き、ありがとうございます。
女装を嗜んだ男性であれば誰しも、女性が持つ美しさの源が、快楽を限りなく受け止められるその性にあるのではないか、と感じるものではないかと思います。
願っても、努力しても埋められないその壁を自覚した後、射精という行為が非常に大きい意味を持つことをまた、実感します。
しばらく後に、この辺りのことを書きたいと思っています。
これからも、よろしくお願いいたします。
2006/03/19 (日) 14:20:57 | URL | cockshut #-[ 編集]
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