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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
マンガ雑誌のSM描写
 本心から言えば、「かき立てられないモノ」なのかもしれない。

 ここ数年で、「少年○○」とか「ヤング○○」のようなマンガ雑誌の中に、SM「的」な描写をしたシーンがとても多く見られるようになった。
 胸とお尻が異常に大きく、目が大きく子供のような顔をした、簡単に言えば「マンガっぽい」女性が縛られて裸にされているような描写が、毎週のように掲載されているのを目にする。

 いい年になりながら、コンビニでマンガ雑誌を立ち読みしている私もどうかしているけれど、今や、18禁でもなんでもない普通のマンガ雑誌の中にSM描写が入り込んでいるので、たまたまそうしたページを開いてしまった瞬間、じっくり眺めたい、と思う気持ちを押し殺して読み飛ばさないとならない状況に陥る。
 ページをめくるふりをしながら、さっ、とその絵を目に焼き付け、多少の昂ぶりを心の中だけに燃やすことがあるのを否定しないけれど、それ以上にそういうものが発生させる悪影響を危惧してしまうことの方が多い。

 憎んだ相手の恋人を誘拐する
 闘いの最中に捕らえた敵方の女性を尋問する
 商売敵や思うように動かない部下を叱責する

 こうした描写の中に、「いわゆるSM」な描写が入りすぎているような気がする。

 画廊あわび堂に掲載されている小妻容子さんが描く責め絵で展開される「被虐美」の妖しさは、仮にその絵画を見て興奮を覚えた者に対して、人の背徳心、倫理観や性的欲求の形に疑問を突きつけてくる迫力に満ちている。
 
 加虐趣味を持ったとしても、被虐趣味を持ったとしても、その性癖を持ったことに苦しみを全く感じない人はいないだろう。真摯に自分の欲求に向き合えば向き合うほど、この衝動を黙って心の奥底に沈めておきたい、と苦しむ回数も増えるはずだ。

 「いわゆるSM描写」には、そうした暗さや背徳感が全く感じられない。

 わざわざ「責め手」がボンデージ衣装を着る必然性がない場面を作ったり、誘拐したら必ず性的暴行を加えないと絵にならない、と簡単にSM描写に手を出すのは、表現としてとても安直で稚拙で、その上、害が大きすぎると思う。

 マンガやゲーム、映画などの残虐シーンと実際の犯罪の発生とを短絡的に結びつけるのも稚拙な分析なのかもしれないが、必然性がないのにSMを装った性的暴行場面を扱っていると、「顔射」しないとSEXが終わらないと思っているようなおかしな人を増やしてしまうだろう。

 現実と虚構を混同する人が増えた時、その責任は虚構を提示した方と、現実に虚構を持ち込んだ人のどちらが負うべきなのだろうか。

 私は、誰かが責任を負わなければならないようなことが起きないことを祈っているし、この性癖を持つ人間として、「普通」の範囲に漏出させてはいけない「制限範囲」を守って欲しいと思う。

 18禁の雑誌やビデオ、アダルトカテゴリを選んだblogを見せないようにする方法は、それなりにある。

 それらをかいくぐり、制限されたものを獲得することも、成長していく上では無駄なことではないかもしれない。無菌室でだけ育つことは、長い目で見ればいいことではないだろう。

 けれど、子供が簡単に手に取れるものの中に、「いわゆるSM」を混ぜるのはやめて欲しい。

 そして、願わくば、「いわゆるSM」でない、この、苦しさと哀しさと向き合わなければならない「業」を背負う覚悟のある人だけが、制限を乗り越えてほしいと思う。

 鞭の痛みも、蝋燭の熱さも、身体に知って初めて、その意味を考えるものかも、しれないけれど・・・。
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コメント
この記事へのコメント
かきたてられる・・・・
>「少年○○」とか「ヤング○○」

・・・が、どんな作品を乗せているのかわかりませんが
少女向けの漫画雑誌に比べればまだ、ましかもしれません。
でも、そういう雑誌に育てられてきた自分というものも
もう、変えようがない事実なのです。
図書館で借りてきたジュニア文庫に
少年を大の字に拘束して全身の毛を剃るというシーンの
執拗な描写を読みながら
(ウーン (Θ_Θ;)、コレでいいのか。)
中学校の時代に、頭をよせあって「風と木の詩」を
読んでいた事を思い出します。

 実は、引越しの準備のために押入れと本棚の中の
本を一大整理しており・・・
久しぶりに外へ出てきたこのまんがを
熟読してしまいました。
あの頃は、こんな刺激的な本を読むのは
当然の権利だと思っていましたっけ。
大人になって、振り返れば・・・君達まだ早い・・・。
って、言ってしまいそうになります。
2006/07/18 (火) 03:01:05 | URL | さやか #DS51.JUo[ 編集]
お互いに未体験
うわぁ・・・その執拗な描写、ちょっと気になってしまいました。
しかも図書館にあるんですか。いいのでしょうか・・・(^^;)
私はずうっと男性として育ってきたので、もちろん「エロ」も今まで男性向けのものばかりに囲まれてきました。
執拗な描写、というとついつい結城彩雨先生の作品を思い浮かべてしまいますが、「普通」の顔をしたオオカミのようなエロスを放つ作品を見つけた時の高揚感は私も忘れられません。
でもやっぱり、「まだ早い!」とも言いたい・・ですが。


2006/07/19 (水) 00:10:56 | URL | cockshut #-[ 編集]
ノーマルなことは語るに値しない?
あまりにセックスそのものが普通のことになってしまったからでしょうか。結婚前どころか10代のうちに初体験をするのが普通のような風潮のせいでしょうか。
ノーマルなセックスは、語るに値しないことのような風潮になっているような気がします。
でも、それっておかしいですよね。
全ての媒体にセックスが扱われている事も、それがより露骨になっていることも違和感がありますし、表現のアミューズメント性を高める為に<責め>だの<SM>だのの形式だけを取り入れようとする。
だからにわかSやなんちゃってMが激増しているように思えます。

cockshutさんのお話で一番頷けたのは、「業」という言葉です。
前戯のバリエーションとしてのSMではなく、ほんとうにその行為がなくては満足することのできないそう言う方の抱く業を、みんな忘れているように思えます。
2006/07/20 (木) 23:40:44 | URL | 祥子 #NqNw5XB.[ 編集]
何がノーマルかって事
 祥子さんのおっしゃる事よく分かります。
現在の子供達は大人の欲望と性に
侵食されてしまってるように思います。
東京の通勤電車で痴漢にあう女性はほとんどが女子高校生。
触るのは、ちゃんとしたサラリーマンです。
子供達はまったく大事にされておらず
学校は、子どもたちを大人の性から守るのに必死です。

 ただ、さやかが例を引いた本を読んでいる子たちは
その反対に、「のり」を超えられない子供達なのです。
そういう本を読んでいるのは性格は真面目で
成績もよく、当然、夜遊びなんかしない子たち。
(特に「風と木の詩」は、刺激的なストーリーをよそに
テーマはめちゃくちゃ重くて難解だったので
成績がいい子じゃないとついていけなかったのかも。)
今の社会の流れについて行けず
いつまでもいつまでも処女のまま・・・・。
王子様が現れてキスをしてくれるのを待っている。
かっこよくて「君だけを一生愛してる」
と、言ってくれる空想の中の男性を・・・。

 どちらの子供対達も、甘やかされているけど、大事にされていない・・・。
そして、もう、大人が全精力を傾けないと立ち直れないほどに、ゆがんでしまってるんです。

ああ、また、本筋から外れてしまいました。
m( __ __ )m「業」でしたね。
これだけで3ページくらい書けそうです・・・。
cockshutの次回の問題提起、待っています。
 
2006/07/22 (土) 02:35:13 | URL | さやか #DS51.JUo[ 編集]
はじめまして
凛と申します。初コメントです。
漫画・・・ホント、最近の少年漫画はSM的な描写を普通にしてる。
チラッと妄想なんかしちゃったりして・・・少年漫画なんかにやられるか~!なんて意地をはっちゃいます。
最近一番困るのは・・・会社でランチをしながら”わたしってドMなんだ。”とか”Sだよね。”とか・・・SM行為そのものではなく、性格の事をお話してるんだけど・・・SとかMとかの言葉にヒヤヒヤドキドキしちゃいます。
ドM=強引なくらいにリードされるのが好き。
ついつい”縛られるのは?”って聞きたくなる衝動を抑えてしまいます・笑。
また、遊びにきます。。。凛
2006/07/22 (土) 09:56:30 | URL | 凛 #-[ 編集]
どこまでノーマル?
祥子さん、お久しぶりです。
このblogを通じて、「形式」と「業」の間に何があるのかを探しているような気がします。

にわかで満足していれば絶対その先に進まないと思いますし、でも、進むことだけがいいこととは思わない・・・。

どこかで、そういう同志の方を探しながら過ごしてきた気が今はしています。

凜さん、初めまして。

某お笑い芸人さん方面から流れてきたのか「ドM」とか簡単に使われてますよね・・・。
あれはあれで、何か誤解している方が多いようで、どきっとする度、がっかり(?)すること多し、です。

本当は、そういう雑談の中から、本物のお相手に繋がっていくことができたら最高なのかもしれませんね。

不定期更新で、ほとんどテキストオンリーのblogですが、今後ともどうぞよろしくお願いします。
2006/07/24 (月) 02:03:01 | URL | cockshut #-[ 編集]
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